ホンマシカ

昔諦めた詩をかいてみることにしました。

ゲームオーバー

お気に入りの席でカーテンに隠れて

読みたくもない本を開く

窓から吹く風は 砂埃をいれてきた

気になるあの子なんて僕にはいない

 

となりのあいつは おもしろい話をしてくる

無理やり席から乗り出して

ひっそりと「ここ死神がいるらしいんだ」

 

僕が連れてきたんだ

この世界をゲームオーバーにするためさ

名前のない彼は僕とそっくりで

スーツ姿のくたびれたオヤジだ

 

当てられた席でふんぞり返って

当たり障りのないやりとり

窓はなくて 机の隅にほこりがたまる 

鳴りやまない電話とにらめっこ

 

13日の金曜日 「週末のご予定は?」

ドアの影に隠れた彼を見つけて

死神の倒し方を検索しようかな

 

僕が連れてきたんだ

この世界をゲームオーバーにするために

名前のない彼は僕とそっくりで

何にもできやしないのに

 

彼の思惑は知っている

簡単にやるつもりはない

コンティニューの取引をしよう

 

僕が連れてきたんだ

この世界をゲームオーバーにするためさ

どうせ名前がないのだから

何度だってやり返してやる